奥深きモノクロの世界
FCソフトをすべて集めるという偉業を日本で初めて成し遂げた、
恋パラ支部長さんが監修したモノクロ時代のGBに的を絞った同人誌。
知り合い以外から同人誌を購入するのは本書がはじめてで一抹の不安があったが、
読了後は素直に「ありがとう、ごちそうさまでした!」と言いたくなるほどの
幸福感に包まれた。
本書で紹介するソフトの多くは、ポケモン以前の作品である。
ポケモンが発売される直前のGBの状況は、まさに風前の灯火だった。
GBの歴史を紐解いていくと、
赤と緑の怪物ソフトが登場したのは1996年2月27日。
1995年にも『星のカービィ2』『スーパードンキーコングGB』
『カービィのブロックボール』などの注目作品が出ていたが、
『テトリス』のころの活気を取り戻すことはなかった。
任天堂以外から発売された同時期のソフトは、
いわゆる無茶移植のGB版『ストリートファイターⅡ』、
スーパーチャイニーズのシステムの流用が甚だしい『忍たま乱太郎GB』……
どうりで携帯型ゲーム機市場が縮小していくわけだ。
ポケモン以降は雨後の筍のようにポケモンのクローンが量産され、
また『ボンバーマンコレクション』や
『桃太郎コレクション』などの寄せ集めソフト、
そして軽量化ハード『ゲームボーイポケット』も登場し、
さらに白黒の世界と決別した『ゲームボーイカラー』、
ついには32ビットCPUを搭載した『ゲームボーイアドバンス』が現れ、
その後の携帯型ゲーム機の勢いは、据置型ゲーム機をも凌駕していくことになる。
『ルーニー・テューンズ バックスバニーとゆかいな仲間たち』
『バイオニックコマンドー』『ファンタズム』……
さあ、本書を片手にテトリスとポケモンの狭間に埋もれてしまった
玉石混淆を味わう旅に出ようじゃないか!