カサロシのログ

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RPGに新しい価値を見出した歴史的傑作『ポケットモンスター 赤』をレビュー

ポケットモンスター 赤

ポケットモンスター 赤

  • 発売日: 1996/02/27
  • メディア: Video Game
 

 

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【ジャンル:RPG
【発売元:任天堂
【発売日:1996年2月27日】
【定価:3,900円】


国民的怪物ソフトは、ここからはじまった!


 新ブログを立ち上げたということで、
その幕開けにふさわしいソフトをレビューするぜ!

 『ポケットモンスター 赤』(以下、本作)は『ポケットモンスター 緑』と
同時発売された『ポケットモンスター』(略称はポケモン)シリーズの
1作目であり、
のちに発売されたマイナーチェンジ版『ポケットモンスター 青』の
販売本数を含めると、世界で約3137万本売れたモンスターソフトである。
この数字はコンピュータゲームの販売本数で2021年現在、
歴代11位だそうだ(1位はMinecraft、販売本数は2億本)。

 さて、Wikipediaで調べれば出てくる情報はこのへんにして、
個人的な感想を述べなければブログをやっている意味はない。
ここからは、初代ポケモン信奉おじさんの熱々のテキストを
温かい目で読んでほしい。

 本作が発売された当初、ゲームボーイ市場は冷え込んでいた。
1996年1月のゲームボーイソフトの発売本数はゼロである。
そして、1996年2月に発売された『ポケットモンスター 赤・緑』以外のソフトは、
クマのプー太郎 宝探しだ大入ゲームバトル!』しか発売されていないので、
南極もびっくりの極寒地獄だったのだ。

 当時、我が家にあったゲーム機はゲームボーイ
ファミレスのレジ横に売ってあったゲーム&ウォッチパチモノのような
LSIゲームだけだった。
そんな環境からか、ゲーム界の雄である任天堂が出したカセット交換式の
ちゃんとしたハード、ゲームボーイは家宝であった。

 しかし、友人の家に行くとスーパーファミコンがあることが多い。
ハンディーゲームマシンしか保有していない俺からすると、
悔しくてハンカチを噛むような案件だ。
TV画面に映し出された『スーパーマリオワールド』はあまりに刺激が強く、
ファイナルファンタジーⅥ』『クロノ・トリガー』『聖剣伝説3』といった
美麗グラフィックのRPGを眺めては、友人を羨望の的にしていた。

 RPGに飢えた俺がポケモン発売直前にプレイしていた
ゲームボーイRPGといえば、
スーパーチャイニーズのBGMなどの使い回しが顕著な『忍たま乱太郎GB』、
ノイジーなボイスサンプリングが味の
魔法騎士レイアース2nd The Missing Colors』、
子ども向け料理番組を題材にし、番組に出演していたヒロミ氏と
林家こぶ平氏(現・九代目林家正蔵)とそっくりのキャラクターが登場するのが
せめてもの救いの『モグモグGOMBO 遥かなる超料理伝説』だった。

 こんなRPGでは到底満足できるはずがない。
「なんで俺の家にはスーファミがないんだ……」
 16ビットマシンを持っていないことを嘆く俺の目に飛び込んできたのが、
雑誌(おそらく、ファミマガ)に載っていたポケモンの記事だったのである。
誌面を見ると『MOTHER』シリーズのような現代風RPGであることや、
2バージョン発売されて収集・育成・交換・対戦が幹となるゲームなのがわかった。
ゲームボーイでこんなにおもしろそうなRPGが出るとは!」
 興奮した俺は妙に印象に残るCMに後押しされて、
気づけば発売日にポケモントレーナーとしてマサラタウンを出発していたのだ。

 ああ、前置きが長くなってしまった。
好きなゲームであればあるほど、そうなってしまうのでどうかご容赦いただきたい。

 さて、いまさら説明するまでもないと思うが、
念のためゲーム内容について触れていこう。

 ポケモンと呼ばれる不思議な生き物と人が共存する
カントー地方マサラタウンに住む主人公は、
オーキド博士という老体にポケモン図鑑を完成させてほしいと頼まれる。
そして、ポケモン図鑑完成を目指すかたわら各地にあるポケモンジムに挑戦し、
ポケモンリーグを制覇することが目的のRPGだ。

 ポケモンの種類はシリーズ1作目の本作でも151匹もいるので、
パーティ編成(6匹まで)を考えるのが楽しい。
ポケモン以前にパーティに加入できるキャラクターが多いRPGは、
女神転生』シリーズと
初代『幻想水滸伝』くらいだったのではないか(『幻想水滸伝』は1995年12月15日
発売。この記事を書くまで、もっとあとだと思っていた)。
RPG部分が骨太なので、交換や対戦をしなくても元は十分に取れる。
ぼっちでも満足できる仕様だ。

 そう、ポケモンドラクエやFFにも負けない本格RPGなのだ。
ポケモンを嫌厭している人は、
愛くるしいキャラクターやキャッチーなタイトルから、
子ども向けコンテンツだというイメージを払拭できていないんじゃないか。
もしくは、交換や対戦が主のコミュニケーションツール色の強いゲームだと思われ、
ハードルが上がっているように感じる。
とくに対戦環境はシリーズが進むにつれ複雑になり、
専門用語が飛び交うガチ勢の応酬についていけなくなる気持ちもわからなくもない。

 しかし、本作の対戦環境は大味だがシンプルでわかりやすい。
初心者でもエスパータイプポケモンを使えば、どうにでもなるバランスだ。

 のちのシリーズと比べて、ポケモン図鑑を完成させやすいのもいい。
イベントでのみ配布されるようなポケモンもおらず、
幻のポケモンであるミュウですら、
バグ技で手に入ってしまう(ほかにもバグ技がたくさんある)。

 このようにシリーズ1作目らしい穴だらけの作品だが、
その穴が単なる欠陥ではなく、“ロマン”としてプレイヤーの心に働きかけてくる。

 そして、くだんのミュウの噂を皮切りに根も葉もない
数多の都市伝説が日本中に広まったことも、本作のヒットにつながったと思う。
いまほど、インターネットが普及していない当時は、
そういった噂に振り回されながらも自分たちの力で
真相を究明することに夢中になった。
検索エンジンの利器に頼るのではなく、
実践に基づいた検証は鮮明な記憶として脳に残留する。
脳に残った経験や知識と戯れることで、新たな発見がある。
いい作品ほど、「記憶を消して、もう1度楽しみたい」と言われがちだが、
記憶を消すよりもアップデートしたほうが作品の深淵に沈吟できる……
おっと、熱くなりすぎて途中から何を言っているかわからなくなってきた。

 ともかく、“沼”という便利な言葉では片づけられないくらい
俺はこのゲームが大好きなんだ!
25年前にマサラタウンにさよならバイバイした俺よ、聞いているか?
2021年の俺もポケモンはもちろんゲームが好きだぜ!
まあ、それなりに忙しくやっているからプレイ時間は減ったけど、
ゲームブログをたまに更新するくらいの熱意はある。

 いきなりだが本作の忘れらんねえ要素を羅列していくぞ!
同志よ、懐かしさに震えてくれ!

  • トキワシティのいあいぎりで切れる木に隠されたキズぐすり
  • ヒトカゲを選んでしまったばかりにタケシと泥沼の死闘を繰り広げたこと
  • 500円で買ったコイキングを断腸の思いで、レベル20まで育てたこと
  • まさこ
  • カスミ戦で幾度となく放たれたバブルこうせんの効果音(初代は技のグラフィックと効果音が小気味よい)
  • おしょう
  • あんまり みないほうが いい みたいだ……
  • タチサレ……タチサレ……
  • ウー! ハーッ!
  • サイコキネシスときりさくの圧倒的な強さ
  • けつばん
  • アネ゙デパミ゙
  • コイルにマスターボールを使ったこと

 P.S.ポケモン25周年、おめでとうございます!

【10点】

ポケモンをつくった男 田尻智 (小学館版学習まんがスペシャル)

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  • 発売日: 2018/05/16
  • メディア: ペーパーバック