【ジャンル:アクション】
【発売元:コナミ】
【発売日:1994年12月16日】
【定価:9,800円】
時をかける義賊
スーパーファミコンでのゴエモンシリーズ第3弾。
前作『がんばれゴエモン2 奇天烈将軍マッギネス』は
『スーパーマリオワールド』っぽいところがあるものの、
巨大からくりメカのゴエモンインパクトが初登場し、
以降のシリーズに続く独自のギャグ路線を確立した作風であった。
本作のストーリーはそんな前作を遥かに凌駕している。
物語は物知りじいさんが自身の発明品であるタイムマシンもろとも、
エビス丸にそっくりのシスター・ビスマルという怪人に
さらわれるところからはじまる。
さらにビスマルは江戸の町を破壊したあげく、おみっちゃんをさらい、
未来へと逃亡してしまう。
ゴエモン一行はビスマルを追って未来の江戸の町“ネオ大江戸”に
流れ着くのであった――。
このように本作は筒井康隆先生の前にお出ししても恥ずかしくない、
本格SF時代劇コメディなのである!
未来を舞台にしているだけあって、からくりうぉーかーというメカにも乗れるぞ。
『ロックマンX』シリーズのライドアーマーを彷彿とさせるデザインだ。
シナリオ面だけではなく、システム面も前作からパワーアップしている。
前作は純粋なアクションゲームだったが本作はアドベンチャー色が強く、
『ゼルダの伝説』シリーズでおなじみのわらしべイベントもある。
マップ画面は『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』にそっくりだ。
そして、ゴエモンの醍醐味といえば2人同時プレイだと思うのだが、
前作までの“おんぶシステム”に代わり“ひょうたんシステム”が実装された。
このシステムはL+R+Aでひょうたんに変身して、もう片方のキャラについていく。
そうすることでアクションが苦手なプレイヤーも難所を相棒におまかせできるのだ。
ライフゲージが共有のゲームはどちらかが下手だと気まずい空気になりがちだが、
“ひょうたんシステム”はそういった問題点をカバーしている。
足場が悪いところでは積極的に使っていこう。
また本作はゴエモンファミリーの紅一点であり、
お色気担当でもあるヤエちゃんがついにプレイアブルキャラになった作品としても
印象深い。
NPCとして登場した、いままでのヤエちゃんを悶々と眺めていた
コミックボンボン愛読者たちからすれば、快報だったに違いない。
多感だった我々の股間を熱くしてくれた帯ひろ志先生、
どうか安らかにお眠りください。
人魚変化の術は陸で使うと、こんな姿になる。まさに俎板の鯉だ。
か、かわいい……だけじゃなく、なんとこの状態、無敵なのだ。ボス戦で非常に役立つぞ!
前作のような純粋なアクションゲームを期待すると肩透かしを食らうが、
2人同時プレイができる和風ゼルダだと思えば、十分に良作だろう。
フィールドはゼルダっぽく、ダンジョンはメトロイドのような要素も感じられる
欲張りな作品だ。
そうそう、招き猫をすべて集めてライフゲージを最大にすると
終盤でいいことがあるから、がんばるんだよ。
【8点】