【公開日:1991年9月14日】
アンナミラーズの制服って、グッとくるよね
映画の内容に触れる前に、ヒロインがバイトをしている実在のレストラン、
アンナミラーズについて書いていきたい。
アンナミラーズは日本とアメリカと中国で展開しているレストランであり、
日本と中国の店舗は、あずきバーでおなじみの井村屋が運営している。
主力商品はホームメイドパイやアメリカンスタイルの朝食で、
なんといってもウェイトレスの制服のエロさかわいさは特筆に値し、
俺の股間のチェリーパイが暴発寸前である。
かつては首都圏に25店舗を数えたアンナミラーズだったが、
いま国内に実存する店舗は高輪店のみで、その高輪店も品川駅周辺の再開発に伴い、
2022年8月31日(水)をもって閉店が決まった。
ただ、井村屋グループ会長の浅田剛夫氏いわく、
国土交通省の品川駅西口基盤整備事業に伴う移転要請を受けての退店であり、
撤退ではありません。いい場所が見つかれば、もちろん、新店を出して
アンナミラーズのスタイルと文化を引き継いでいきたい。
とのことなので、首を長くして待ちたい。
関西在住の身からすると、願わくは全国展開も視野に入れてほしいとも思う。
さて、アンナミラーズの話題が長くなってしまったが、
ここからが本題。映画の内容に触れていく。
本作は、『AKIRA』でジャパニメーションの立役者に躍り出た大友克洋氏と、
代表作に『ストップ!!ひばりくん!』や『すすめ!!パイレーツ』を持ち、
魅力的な女性を描き続けている江口寿史氏がコンビを組んで制作した
オリジナルアニメ映画だ。
原作とメカニックデザインは大友氏、キャラクターデザインは江口氏が担当し、
美術設定は今敏氏、監督は北久保弘之氏という豪華なメンバーが揃い踏みの
作品でもある。
今月末の高輪店の閉店でその歴史にピリオドをうつアンナミラーズ。アンナミラーズはぼくにとっては80年代の吉祥寺の象徴でした。いろいろ想いがあり過ぎて一言では語れませんが、この絵を感謝の言葉の代わりにさせていただきます。アンナミラーズありがとう。 pic.twitter.com/rmyZvN2HoH
— 江口寿史 (@Eguchinn) 2022年8月3日
物語の中心人物は、妻に先立たれ、古い木造アパートで寝たきりの独居を
余儀なくされている高沢喜十郎と、そんな高沢の介護ボランティアをしている
看護学生の三橋晴子だ。
晴子がバイト先のアンナミラーズの制服のまま、
高沢の介護に奮闘するさなか、厚生省は高齢化社会と介護問題を解決すべく、
最新の介護ロボット“Z-001号機”を考案する。
“Z-001号機”は全身が収まるベッド型で、全自動の介護が受けられる。
介護者は寝たまま、食事・入浴・排泄処理ができ、
リアルタイムで健康診断も行える。
さらには、テレビ・電話・パソコンも付属されており、
4人同時にビデオチャットも可能な代物だ。
ある日突然、高沢は“Z-001号機”のモニターに選ばれ、
自宅のアパートから拉致されてしまうが――。
高齢化や介護といった誰もが逃れられないテーマを主軸に、
人間の尊厳、家族愛や夫婦愛をコメディタッチで描ききった覚悟とユーモアに乾杯!
小気味よく進む物語と自由奔放で天真爛漫なヒロイン、晴子に心を奪われる映画だ。
俺には晴子のような若さはもうないかもしれないが、
彼女が備えている行動力を見習って、後悔の少ない余生を楽しみたい。
それから、寝たきりにはなりたくない。ハゲてもいいけど、ボケたくない。
ごめん、やっぱりハゲたくもない。