カサロシのログ

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あの憑依アクションが新要素を引っ提げてゲームボーイに移植!! 『ファンタズム』をレビュー


【ジャンル:アクション】
【発売元:ジャレコ
【発売日:1992年11月6日】
【定価:3,900円】

グラフィック以外は見劣りしない良移植

 ジャレコの名作アーケードアクションをゲームボーイに移植。
アーケードや据え置き機からゲームボーイに移植となると、
マシンスペックの関係でオミットされる部分が多く、
劣化移植になってしまうケースがままあるが、
本作はグラフィック以外はアーケード版にも勝るとも劣らない良移植なのだ。

アーケード版のレビューはこちら。


 冒頭で悪の秘密結社に殺された悲劇の主人公が幽霊になり、
さらわれた彼女を救い出すというストーリーと、
敵に憑依して進めていくシステムはアーケード版と変わらないが、
演出面の強化および後述する新要素が追加されたことで、
より遊びやすくなっている。

キャラクターデザインは少しバタ臭かったアーケード版よりも、
日本人ウケするようなアニメチックなビジュアルになった。

バンッ!

あっけない最期を迎える主人公。

ここで彼女の父親がお出ましだ。ロマンスグレーが渋い。ウホッ! いい男……。

アーケード版で猛威を振るった構成員にドラゴンや雪女や修行僧やバンパイアや野球選手がいる
バラエティに富みすぎている悪の秘密結社は、
ゲームボーイ版でも健在だ。

めっちゃ髪の毛をつかんでますやん。髪は女の命、許すまじ!

“霊エネルギー”という怪しい力で復讐を誓う主人公だった――。

 さて、ストーリーをおさらいしたところでゲームボーイ版の最大の特長である
新要素“肉体乗り捨て”機能について言及していこう。
アーケード版では別の敵に憑依したい場合はわざとダメージを受け、
憑依対象のライフをゼロにしなければならなかったが、
ゲームボーイ版ではセレクトボタンを押せば任意のタイミングで憑依した
肉体から離脱できる。これが“肉体乗り捨て”機能だ。
ただし、もとの肉体を捨てたときにその肉体の残りライフと同じ量だけ
“霊エネルギー”が減る。
このため、適材適所を意識した憑依がいっそう楽しめるようになったので
戦術性が増した。

女性格闘家の肉体を乗り捨てた図。
「私とは遊びだったのね……」
そんな声が聞こえてきそうなワンシーンだ。

 そして、隠しモードとして高難度の“エキスパートモード”が追加されたのも
うれしい。
このモードは敵の攻撃力が倍増+ザコ敵のルーチンが強化+配置の凶悪化が
図られている鬼畜仕様だが、“エキスパートモード”をクリアしたときにだけ
見られる一枚絵もあるから、腕自慢はチャレンジしてみてほしい。
なお、“エキスパートモード”をアンロックするには、
通常モードのグッドエンディング後の一枚絵に表示されているコマンドを
タイトル画面で入力する必要がある。

チュートリアルステージでのみエネルギーゲージの上に表示される
“PHANTASM™”という商標がまぶしいぜ!

ゲームオーバー画面はあざとかわいい。幽霊なのに天使の輪っかがあるとか反則やろ。
それになんだ、その上目遣いは? てめえ、男だろ! 騙されんぞ! ハァハァ(;´Д`)

 本作は入手困難でゲームボーイのプレミアソフトとして上位に君臨しているが、
2023年3月28日(火)の午前9時までは
3DSバーチャルコンソールとして419円で購入できる。
後悔しないうちに手に入れておこう!

同じくゲームボーイの入手困難ソフト、『トリップワールド』のレビューはこちら。

 

『しっぽでブン!』のレビュー。こちらもゲームボーイのレアソフト。
 アーケード版は1991年に登場し、このゲームボーイ版は1992年に発売された。
アーケード版の稼働開始から、わずか1年で移植されたとは思えない
理想的な移植だ。

【8点】

キラートマト

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