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型破りだけど優しい気持ちになれるカルト的インディーゲーム『UNDERTALE』をレビュー

 





UNDERTALE | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)

UNDERTALE | ゲームタイトル | PlayStation (日本)

Undertale を購入 | Xbox

Steam:Undertale

【ジャンル:RPG
【発売元:ハチノヨン】
【発売日:Switchは2018年9月15日 PS4/Vitaは2017年8月16日
Xboxは2021年3月16日 Steamは2015年9月15日】
【定価:Switchは1,620円 PS4/Vitaは1,650円 Xboxは1,679円 Steamは980円】
(※発売日と定価はすべてダウンロード版のもの)

ゲーマー心理の裏をかく作風に脱帽

 2015年にSteamでリリース、その後は各コンシューマゲーム機でも発売され、
インディーゲームとして大きな成功を収めた本作は、
トビー・フォックス氏が制作したアメリカ生まれの個性派RPGだ。
“うざいイヌ*1”のグッズを見かけるたびに
「これだけ話題になってんなら絶対おもしろいゲームだ。やらな!」と思って、
幾年も経過……ようやくクリアと相成ったのでレビューしていくぜ!

 種族が2ついるということは……。

 悲しいかな、争いが起こっちゃうね。
シルエットだけを見るとモンスター軍が絶対に優勢だろ。

 で、先の戦争では人間が勝利し、人間は魔法の力でモンスターたちを
地下に閉じ込めたのだ。それから長い時が流れ、
性別不明の主人公が穴に落ちて目覚めたところで君の物語ははじまる!

 ゲームをスタートして最初に出会うキャラクター、フラフィ。
親切なチュートリアルキャラと思いきや……。

 トビー氏は『MOTHER』シリーズや『真・女神転生』シリーズ、
そして『東方Project』といった日本のゲームに影響を受けていて、
先に挙げたゲームたちのエッセンスを本作からも存分に摂取できる。

 ゲーム全体に漂う、人を食ったようなテキストや雰囲気は
糸井重里イズムであるし、モンスターとの駆け引きが楽しい点は
メガテンと相通ずる。敵の攻撃を弾幕シューティングのように避けて耐える
戦闘システムは東方であり*2、まさに“パチュリー、ウッ!”である。

“ウッ!”とは何かを射出する際に出る声である。いいえ、ケフィアではありません。

 わけのわからない穴に落ちて途方に暮れる主人公に手を差し伸べる
母性溢れるヤギ、トリエル。こんなおばさんでいいの……?
むむっ、おばさんだからこそ、いいんです!!

 戦闘中も意味のないフレーバーテキストがたくさん用意されていて、
モンスターを“個”として知覚するのに役立つ。
彼らに愛を持って接すれば、何かいいことがあるはずだ。

 こういうテキストの端々がめちゃくちゃ『MOTHER』っぽいんだよなあ。
トビー氏は『MOTHER』シリーズのなかでは『3』が好きらしいです。
尖っていますね。

 アイテム屋で不用品を売ろうとしたときのこのセリフにはシビれたね。
このゲーム、一部の店でしか買い取りはしてくれないのだ。
こんな感じでゲームのあたりまえを覆してくるので、
ゲーマーとしての経験値が高いほど呆気に取られる場面が多い。

 俺のお気に入りモンスターは、ツンデレひこうき。すげえセンスだぜ。

 そうです。

 トロコンを達成して、3つあるエンディングのうち2つを見た。
もう1つのエンディングを見る条件は厳しいらしいから、
かなり気が向かないとやらないかな。

ファミ通.comによるトビー氏へのインタビュー。

トビー氏の最新作『DELTARUNE Chapter 1&2』は無料配信中。

 物語の全貌を知るためには3周する必要があるが、
1周クリアの時間はさほどかからない。個性豊かなキャラ、耳に残るBGM、
ゲームのお約束を逆手に取った演出のおかげで
プレイ時間のわりに濃密な体験ができる。
2010年代を代表する名実相伴うインディーゲームの傑作だ。

【10点】

 

真・女神転生

*1:本作のマスコット的存在

*2:あそこまで激しくないが……