

【ジャンル:アクション】
【発売元:カプコン】
【発売日:1991年7月26日】
【定価:3,500円】
無難な出来の携帯機向けアレンジ移植
いまでこそビデオゲームは市民権を得たカルチャーだが、
30年くらい前までは親がゲームに抵抗感を示していたり貧乏だったりで、
なかなかゲームにありつけなかった子どもたちが少なくはなかった。
念願のゲーム機を買ってもらったとしても据え置き機ではなく、
携帯機だけしか買い与えられなかったキッズもいるだろう。
本作『ロックマンワールド』はそういった携帯機キッズの強い味方で、
当時はファミコンで展開されていた人気2Dアクション『ロックマン』シリーズの
1作目と2作目を携帯機向けに再構成したアレンジ移植である。
システムはファミコンと大差なく、
ゲームボーイでもおおよその雰囲気は再現されている。
ステージの最後に待ち受けるボスキャラを倒し、そのボスが持っている特殊武器で
さらなるボスを撃破していくおなじみのあれだ。
みんな大好き、ボス部屋前のシャッターはファミコン版に比べて
少なくなったが大きく見える。自己主張の激しいDr.ワイリーのロゴもイカす!
開発中のバージョンはシャッターの数が違うとのこと。
“※画面は開発中のものです。”という注釈ってロマンがあるよね。
ボスを倒して特殊武器をゲットしたときのデモでは
ロックマンの中身があらわになる。なんか怖いな、おい。
生首1UPアイテムの代表格はやっぱりロックマンだよね。
でも、これはめちゃくちゃヒゲが濃い人みたいだな。
「ロックマンの1UPです」
— ありがひとし🌇🦖 (@ariga_megamix) 2024年6月7日
「ブルースの1UPだぜ」
「今日はゲームボーイ版ロックマンワールドについて解説していくよ」
「初代ゲームボーイだな
グラフィックはモノクロ4階調。画面比もファミコンより狭いぜ」… pic.twitter.com/KwB8SxV9D1
ありがひとし先生が『ロックマンワールド』シリーズについて言及しているポスト。
ゆっくりしていってね!!!
カットマン・アイスマン・ファイヤーマン・エレキマンのステージをクリアすると、
ジャンピング土下座の普及に貢献したあの人が登場!
ご存じ、アルバート・W・ワイリー*1博士である。
こんな基地ばっかりつくっているから資金繰りに苦慮しているのでは……?
もう宇宙ステーションじゃねえか! 個人でつくれるっていうレベルじゃねぇぞ!
マジでどこから資金が出ているのかな? わたし、気になります!
もちろん、ゲームボーイでも伝統の土下座はあるぞ!
エンディングで見られるボスキャラの生首は本作ならではの魅力。
ロックマンワールドのエンディング#マイクラ #ロックマンワールド pic.twitter.com/qb6TofQjH0
— そーみや (@FZnxSKSyGT5Wg3a) 2024年11月10日
エンディングの生首ボスたちを『マインクラフト』でつくっている人を発見!
初代『ロックマン』からガッツマンとボンバーマンがリストラされていたり、
『ロックマン2 Dr.ワイリーの謎』から参戦したボス4体にはステージがなく、
ボスラッシュとして消化されていたりする点は本家シリーズに見劣りする。
また、画面に対してキャラクターが大きいのでファミコンの
プレイ感覚には及ばず、理不尽に被ダメしてしまうことが多いように感じた。
そのうえ、ライフを回復する“E缶”もないため、シリーズのなかでも難度は高め。
上記の問題点はあるものの、人気シリーズを水平展開していこうという
意気込みは十分に伝わってくる。
それにオリジナルボス・ロックマンキラーのエンカー*2もかっこいい。
そして、外伝的な位置づけの作品を『5』まで発売し、
シリーズのファンを一喜一憂させたのも乱発気味になりがちな
人気シリーズゆえの微笑ましい傾向といえるだろう。
現在はNintendo Switch Onlineで本家シリーズよりも先に
『ロックマンワールド』全5タイトルが配信されているので手軽に遊べる。
メガドライブの『ロックマンメガワールド』も配信されているのに
記事執筆時点では本家シリーズが配信されていないことは疑問だが、
携帯機で発売された少し趣の違うロックマンをプレイするのも乙だとは思う。
【5点】