

【ジャンル:アクションRPG】
【発売元:スクウェア】
【発売日:1993年8月6日】
【定価:9,800円】
“リングコマンド”は大発明
ゲームボーイで1991年に発売されたシリーズ1作目の
『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』から、
わずか2年あまりで大幅に進化した続編がスーパーファミコンに登場した。
それが本作『聖剣伝説2』である。
Vitaとスマホでリメイクされた『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』のレビューはこちら。
開始早々、ジャイアンとスネ夫のポジションっぽい2人から暴言を吐かれる主人公*1。
ビジュアルだけだとグズに見えないけど、イケメンで仕事ができそうなのに
まったく使えない人みたいな感じかな?
丸太から足を滑らせて滝壺に落ちたドジでノロマな亀の主人公は、
脳に直接呼びかける声を聞き、不思議な剣を引き抜いてしまう!
打ちどころが悪くて幻覚に惑っているんじゃないよね……。
主人公のホームであるポトス村に戻ると謎の穴があって落ちてしまう。
その中には最初のボス、マンティスアントがいるぞ。
軽くひねり潰そうと言いたいところだが、最初のボスにしては強いから
心して迎え撃とう! まあ、何度倒れたとしても復活できるので安心してくれ。
ジャンルは前作と同じくアクションRPG。
簡単操作でシームレスなバトルを楽しめる“モーションバトル”と
グラフィカルでわかりやすいメニュー画面“リングコマンド”が本作のウリだ。
さっき手に入れた剣は村の守り神の聖剣だったらしい。
それを引き抜いたことで村に災厄が降りかかるとか言いがかりをつけられ、
出ていけコールを浴びせられる始末。
みなしごの主人公に寄ってたかって、ひどいやつらだぜ……。
村を追われ、流浪の民になった主人公はプリムという少女と出会う。
どうやら、行方不明の恋人を捜しているようだ。ちっ! リア充か……。
“リッパな剣もっちゃって”とか言われたら、ヤる気スイッチがオンになるだろうが!
余談だけど、この画像だけスクリーンショットを撮り忘れたから
配信中のブラウザを介して撮ったので画質が悪いのだ。
さらに冒険を続けると、地底の村の見世物小屋で妖精の子ども、ポポイと出会う。
聞くも涙、語るも涙の彼(彼女?)*2の境遇に同情してあげよう。
序盤の要注意ザコ、ウェアウルフ。
攻撃力が高く、動きも素早い。そのうえ回復魔法を使う難敵だ。
初プレイ時にボコボコされてトラウマになったのは俺だけじゃないはず。
『聖剣伝説』シリーズ名物の踊れる商人、モティさん。
名前の由来はスクウェアスタッフ行きつけのインド料理店から取っているらしい。
『聖剣伝説』シリーズと関わりが深いブラウニーブラウン*3から独立したメンバーで
設立されたブラウニーズの社長である亀岡慎一氏のブログにモティさんの由来が書かれていたぞ。モティさん発祥の地になった赤坂店は残念ながら閉店になっているが、
六本木店と二子玉川店は健在なので気になった人はチェックしてみよう!
Apple II時代から天才プログラマと呼ばれていたナーシャ・ジベリ*4氏が
メインプログラマとして携わっているだけあって、
バグ上等といった感じのギリギリで動いている危うさがたまらない。
前述の“リングコマンド”も氏が発案したようだ。
致命的なバグがあって粗削りではあるが、グラフィックやBGM*5、
みなしごの少年・気の強い大臣の娘・生意気な妖精の凸凹トリオが織り成すストーリーが、
それを上回る魅力でバグなんて些末なことに思える。
ゲームボーイだった前作からの進化が目覚ましく、
スクウェアの技術力を結集させたアクションRPGが遊べる喜びを
当時のスーパーファミコンユーザーは噛みしめていたのだろう。
もちろん、いまプレイしても新鮮な傑作アクションRPGである。
致命的なバグは、『聖剣伝説コレクション』に収録されているバージョンでは
取り除かれているので、そちらでプレイするのがおすすめだ。
【9点】