
忘れないで、おとなになっても。 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
忘れないで、おとなになっても。アプリ - App Store


【ジャンル:アドベンチャー】
【発売元:GAGEX】
【発売日:Switchは2021年12月2日 Steamは2022年1月13日
スマホは2020年2月26日】
【定価:Switch/Steamは1,800円 スマホは基本プレイ無料】
1987年の夏へ
スマホで配信されて評価の高かったシネマティック・アドベンチャーゲーム。
その後、SwitchとSteamで新エピソードや新アイテムを追加した完全版を発売。
俺がプレイしたのはSwitch版だぜ。
主人公のミナトが2020年から1987年にタイムスリップし、
子ども時代の父と母が出会った昭和の世界を冒険。
不幸の連鎖を断ち切るために、未来を変えようと奔走するといった内容だ。

ミナトは未来を予知した白昼夢を見る特殊能力を持った少年。
この能力で先手を打ち、未来を変えていくのだ!

ある夏の日、母と妹のミライといっしょに加賀美町という小さな町で
行われる慰霊祭に向かうところから物語ははじまる。
ミライは骨髄移植が必要な病気なのだが、母とミナトの骨髄は適合しなかった。
そこでミナトは一縷の望みにかけて、この町で別居中の父を見つけようとするが、
父はすでに墓石で眠っているのだった。
ミライの病状が悪化しているうえに、母も病を患っている。
このままでは家族が薄幸の一途を辿ってしまう。
懊悩するミナトは、ついに父が残した“七不思議ノート”を見つける。
このノートと予知夢を手がかりにして、家族全員が幸せな未来を迎えるべく、
33年前へタイムスリップするのだ。

序盤は2020年の町で情報収集。
町人たちの話題はどこかすさんでいて、トゲトゲしいものが多い。
“失われた30年”なんていうけど、いったい、いつまで失われるのかな。

営業マンの愚痴が生々しい。
そうそう、このまま少子高齢化が進んで人口構成のいびつさが増すと、
社会が維持できなくなってしまうよな。“2040年問題”だっけ、マジで深刻だよね……
と言っても、DINKs*1の俺には納税しかできません。
いまは無職ですが、転職先でそれなりにがんばって副業でも稼ごうと思います。
子どもを持たない選択を許してください。
それはそうと、画像右奥に路駐してあるのは、紛れもなく30系プリウスだね。

現実を直視させられたところで、予知夢で見たのと同じ不思議な物体の
発掘現場に遭遇!

未来のミナトに出会って、いよいよ過去の世界へ出発だ!

33年前の町はコンビニやマンションがなく、
個人商店が軒を連ねるノスタルジックな風景だった。
停まっている車も角張ったフォルムのセダンになっている。
カクカクしているデザインのものはボクセルで表現すると映えるね。

町の人が話す内容も、なんだかおおらかでほっとする。2020年とは大違いだ。
まあ、1987年といえばバブルまっただ中だから、人々も活況に沸くよな。

町のあちこちに隠されているコレクションアイテムは、
懐かしい駄菓子、玩具、雑誌などで集めるのが楽しい。
こういうフォークが浮いている系の食品サンプルを見ると、
めちゃくちゃ食欲が湧いてくるぜ!

これは“1999年7の月、空から恐怖の大王が降りてくる”とか書いて、
日本を震撼させたあの人の本だね。ノストラダムス氏は“ノストラダマス”なんて
言われてウソつき呼ばわりされていたけど、あの人こと五島勉氏が
でっち上げた影響が大きくなりすぎたんだよな。

コレクションアイテムはガチャガチャからも入手できる。
ガチャガチャを回すには町に隠されているコインが必要。
リアルガチャやスマホゲーのガチャと違い、ダブらないのでコンプも比較的容易だ。

駄菓子屋のおばあちゃんって気づいたら後ろに回り込んでたり、
やたらと敏捷だった記憶がある。万引きされないように必死なんだろうけどね。
それにしても、とんでもねえ生きがいを持ったババアだな!

メニューまわりは簡素かつ親切。
“ナゾ”を開けば、各イベントの詳細を確認可能。
イベントの進行度によってテキストが変わるから、物語を味わうためにも
定期的に読んでおこう。

過去の世界では、銭湯のせがれであるコテツや、
神社のおてんば娘のアッコらがミナトに協力してくれるぞ。
彼らと友情を深めて町の謎を解けば、運命は変わっていくだろう。

大人には大人の子どもには子どもの悩みがある。
登場するキャラクターはそれぞれ家庭の事情を抱えていて、
そのあたりの心理描写が丁寧でスムーズに感情移入できる。
俺も世間一般的な“ふつうの家庭”で育ったわけではないから、
いろいろと思い出してしまった……。
俺は昭和末期の生まれなので本作の舞台の1987年は、
まだ物心がついていなかったが、そんな俺がプレイしても溢れんばかりの
ノスタルジーを感じる出来だった。
少し気になったのは、1987年と言っているわりには、
ツチノコブームを想起させる描写があったり、
当時は放送終了していた『8時だョ!全員集合』ネタがあったり、
時代考証がゆるめだった点。
だが、アバウトだからこそユーザー層を広げられているとも思うので、
これくらいでちょうどいいのだろう。昭和は長いがゆえに、
ひとりひとりの古きよき昭和があるはずだ。
本作をプレイしてめいめいの郷愁に誘われればいいのである。
ゲーム性よりもシナリオを重視した本作は、
やり直したいことが多い大人の涙腺にクリティカルヒットする作品だ。
お盆にプレイすれば、より深く沁み入るであろう。
【7点】
*1:“ダブル・インカム・ノー・キッズ”の略語。子どもを持たない共働き夫婦のこと。
いまでいう“おふたりさま”



