【ジャンル:アクション】
【発売元:任天堂】
【発売日:1989年4月21日(バーチャルコンソール版は2011年6月7日)】
【定価:2,600円(バーチャルコンソール版は400円)】
マリオっぽくないマリオ。だが、それがいい!!
初代GB発売時のローンチタイトルの1つ。
ほかのタイトルが、ブロック崩しの『アレイウェイ』、
野球の『ベースボール』、麻雀の『役満』といった渋めのものばかりなので、
ゲームボーイを発売当初に購入した多くのちびっこたちは、
この『スーパーマリオランド』を手にしたことだろう。
ゲーム内容は、サイドビューのアクションゲームで、
携帯機向けに味つけした『スーパーマリオブラザーズ』といったところだろうか。
個人的に本作の魅力はマリオっぽい部分ではなく、
マリオっぽくない部分にあると思う。
まず、ストーリーからして少し異物感がある。
謎の宇宙怪人タタンガ(クッパではない)にさらわれた、
サラサ・ランドの姫、デイジー姫(ピーチではない)を助けるという、
わかりやすい内容なのだが、
今回の件がピーチ姫にバレると修羅場になりかねない事態だ。
まあ、イタリアでもっともモテるであろう配管工のマリオさんからすると、
日常茶飯事なのだろう。
ほかには、敵キャラがマリオっぽくなかったり、
地上ステージのBGMが哀愁を帯びていたり、
シューティングステージもあったりと、放たれた異彩の数々が、
我々、ゲームボーイズ(GBをする人たちのことです。ええ、いま決めました)を
魅了し、白黒の画面から溢れ出す極彩色の世界に感嘆すること間違いなしだ。
ステージ数は若干少なめだが、サクッと遊ぶにはうってつけだ。
唯一の不満点は、ある程度スコアを稼がないとコンティニューができないせいで、
難度を大きく引き上げていることくらいか。
もちろん、セーブなんて生易しいもんはない。
バーチャルコンソールでも配信中!
ここからは、ちょっとした思い出話。
小学生のころ、友人宅に3人集まって、“1機ごとに交代”というルールのもとで、
据え置き機のゲームをしてたんですよ。
で、ゲームがうまいやつは、なかなか残機を減らさないから、
交代までの時間が長いんですね。
そこで取り出したのが、持参したGB本体と本作です。
電源スイッチを入れ、切ない地上ステージのBGMが流れる。
友人は回復アイテムを取る。
それは交代を、また一歩遠ざける。切ないBGMが部屋に響き渡る。
どうして、あのころの僕は「みんなで、ボンバーマンやろうぜ!」の
一言が言えなかったのだろう。
友人宅には、マルチタップもあったというのに……。
【7点】