カサロシのログ

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対戦格闘ゲームのほぼ源流! 『イー・アル・カンフー』をレビュー

 


【ジャンル:格闘】
【発売元:コナミ
【発売日:1985年4月22日】
【定価:4,500円】

イー・アル・カンフー』からやり直します

 「元祖対戦格闘ゲームは何か?」という話題になれば、挙がりがちな本作。
シンプルなつくりの対戦格闘ゲームであるが、対戦格闘ゲームの始祖ではない。
対戦ができない1人プレイ専用の格闘ゲームの初出は、
テクノスジャパンが開発し1984年にデータイーストから発売された
アーケードゲーム『空手道』で、初の対戦格闘ゲームはその続編の
『対戦空手道 青春美少女編』とするのが専門家の見解だ。

石井ぜんじ氏がGAMERS ZONEに寄稿した対戦格闘ゲームとeスポーツのルーツを辿る記事。


 ゲーム内容はカンフーの達人である李(リー)が中国全土で悪事を重ねる
チャーハン一族を撲滅すべく、彼らの根城であるメンマの塔を上り、
次々と現れる敵を倒していくといったもの。
リーの前に立ちふさがるのは、棒術使いの王(ワン)・火炎術師の桃(タオ)・
くさり使いの陳(チン)・手裏剣使いの藍(ラン)・謎の男の呉(ウー)の5人。
いずれも豪傑だが武器や特殊能力がないのは主人公の李だけなのが、
なんだか解せない。それに「中国全土で悪事を重ねるなんて強大な組織だな、
チャーハン一族は!」と思ったけれど、
戦うのは5人だけなので安堵して拍子抜けする。
たぶん、メンマの塔に常駐しているのがこの5人なんだろう。
そういうことにして納得しよう。


3人目を倒すと素手とキックで飛んでくる扇子や刀をはたき落とす危険なボーナスステージに突入!

5人目の呉を倒すと以後はループして難度が上がっていく。銅鑼の音が気持ちいい。

4人目に戦う紅一点の藍だけ、やられモーションが違う。
悩ましい姿態を強調したポーズにスタッフのこだわりが感じられる。


 人気ゲームマンガ『ハイスコアガール』に
イー・アル・カンフーからやり直せ!”というセリフがあるが、
そのセリフにふさわしく格ゲーの基礎を学べるゲームだと思う。
自分に有利な間合いを維持しつつ、攻撃を仕掛けていく駆け引きが楽しい。
ファミコンで可能な限りカンフー感を出そうとした
主人公の“アチョーッ!”という怪鳥音*1がかわいい。
アーケード版と比べるとキャラクターが減り見劣りする部分もあるが
Nintendo Switch Onlineでもプレイできるので、
格ゲーコンプレックスを克服するためにやってみるのも一興だろう。
余談だが本作のタイトルは“一・二・三・四”の中国読みである
“イー・アル・サン・スー”をもじっている。
「これ豆な!」と威張り散らしたいけれど、
もう“ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~”に書かれていたから、
威張り散らさずに謙虚に生きていきます。

【5点】