【ジャンル:アクション】
【発売元:コーエー】
【発売日:1999年9月23日】
【定価:7,800円】
テロリストに奪われた軍事衛星を取り戻せ!
ノストラダムスの大予言が外れて、
「アンゴルモアの大王なんてけえへんやん」と思っていた1999年9月に
コーエーが突如としてニンテンドウ64で発売したTPS、
それが本作『ウィンバック』である。
ストーリーは、テロリストに占拠された高エネルギーのレーザー照射が
可能な軍事衛星“ガルフ”を奪還するために、
特殊部隊“S.C.A.T.*1”が現場に急行し、
あれこれとやってのけるというアメリカ映画で何度も使われているような
代物だが、コーエーが時折のぞかせる歴史シミュレーション以外の看板タイトルを
つくろうとする意欲は感じられる内容になっている。
現在は“Nintendo Switch Online + 追加パック”でもプレイできる。
『スーパマリオ64』や『ゼルダの伝説 時のオカリナ』といった
名作すぎる任天堂タイトルのなかにひっそりとたたずむ様は、
ハロウィーンの乱痴気騒ぎにぼっちで参加した迷える子羊のようだ。
物陰に身を潜めて敵の攻撃が落ち着いたときに、飛び出して撃つ!
この粋なアクションは本作のウリだが隙が大きい。
攻略の肝となるのは、おあつらえ向きに設置してある木箱。
その耐久性はなかなかのもので、まさに“お、ねだん以上”なのだ。
この木箱の陰で屈伸しながら発砲していれば、敵の心肺は停止しているだろう。
あちこちにあるレーザートラップは触ると即死するテロリストより怖い存在。
制御装置を破壊して無効化するか上手に回避しよう!
2~4人で楽しめる対戦モードも実装。
キャラクター選択画面は、なんだか格闘ゲームのようである。
なお、キャラクターを増やすにはやり込みが必要だ。
ローポリゴンの便器を見ると、
ニンテンドウ64で発売された素晴らしきFPS『ゴールデンアイ 007』の
“化学工場のトイレ”を思い出すのは俺だけではないよね?
『ゴールデンアイ 007』は多くの人にとって初FPSになったと思うが、
本作はTPSの入門ソフトとしてはなかなか秀でた作品なのではないだろうか。
忘れてはいけないことだが、本作は地味にマルチエンディングなのだ。
よって、緊張感を持たずにプレイしていると芳しくない結末を迎えてしまう。
そこで、3種類あるエンディングの分岐条件を紹介しよう。
- バッドエンディング→ミッション23到達時のプレイ時間が5時間以上
- グッドエンディング→プレイ時間が5時間以内でミッション23に到達し、ミッション26の発電室に6時間以上で到達する
- ベストエンディング→プレイ時間が5時間以内でミッション23に到達し、ミッション26の発電室に6時間以内で到達する
俺はこちらのサイトを参考にさせてもらってベストエンディングを達成したぜ!
あと、ボスキャラのネーミングは本作の1年ほど前に発売された
『メタルギアソリッド』の影響を色濃く反映されているように感じる。
『メタルギアソリッド』には、“リボルバー・オセロット”や
“スナイパー・ウルフ”といったボスが登場するが、
本作には“ハードラック・ライラ”や“ビッグフット・ガント”というボスがいる。
そう、語感が似ているんだよなあ。
ちなみに後発のPS2版はグラフィックが向上しただけではなく、
日本語のボイスも追加されているのでメタルギア感もアップしているぞ。
続編を求める好事家は『ウィンバック2 プロジェクト ポセイドン』を購入して、
パワーダウンっぷりに落胆しよう!
【7点】
*1:Strategic Covert Actions Teamの略