


【ジャンル:RPG】
【発売元:タイトー】
【発売日:1993年6月25日】
【定価:8,900円】
続編のほうが高評価ではあるが……
友だちがDQでもFFでもないマイナーなRPGを持っていたらワクワクする。
そして、そのゲームの話題を共有できたら一気に距離が縮まるよね。
しかし、マニアックすぎる『熱血大陸バーニングヒーローズ』や
渋すぎる『スーパー伊忍道 打倒信長』を話に出すとドン引きされるだろう。
そんな君にちょうどいい知名度と完成度のRPGがあるぞ!
超メジャーな超名作ではないけれど、ゲーマーのあいだではまずまずの評価を
得ている作品、それが今回レビューする『エストポリス伝記』だ。
開発はネバーランドカンパニー。
のちにコアなゲームファンを唸らせた『カオスシード〜風水回廊記〜』や
『不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!』を開発した
デベロッパーである。

オープニングからいきなり修羅場っぽいシーンがはじまる。
どうやらこれは“四狂神”と4人の英雄が戦ったとされる100年以上前の回想らしい。
しょっぱなからクライマックスな演出は斬新だが、身も蓋もない言いかたをすれば、
火種のわからないデモを見せられている気分になる。
頭のいい人たちが高尚な主張を振りかざしても、
ほとんど頭に入ってこないあの感じ。

ただ、幕開けからラスダンを高いステータスで闊歩するのは、
なかなか痛快だぞ。いまのうちに“俺TUEEE”しておこう!

100年以上の時が過ぎて、前述の修羅場で奮い立っていた英雄の子孫である
主人公にバトンが託される。しかし、彼は平和ボケでたるみきった騎士団に
所属していて町人から心ない言葉を吐き捨てられる日々を送っている。

いろいろあって主人公は“虚空島”と呼ばれる浮遊大陸から降ってきた
青髪の少女・ルフィアと世界を救う旅に出る。
付き合いたてのカップルがやるような痴話ゲンカと仲直りのノロケを
見せつけられるので覚悟しておこう!
▲とてつもないエスト愛を感じる記事。必読!

本作の主人公の長所は物腰柔らかで敬語を使えるところ。
「はい」とか「いいえ」しか言えない主人公や口癖が「興味ないね」の
金髪ツンツン頭は見習ったほうがいいね。

戦闘システムで特徴的だったのは十字ボタンと決定ボタンの組み合わせで
各コマンドをスムーズに入力できる点。
たとえば、十字ボタンの下+決定ボタンで“逃げる”、
十字ボタンの左+決定ボタンで“アイテム”といった具合だ。
このシステムのおかげで戦闘のテンポはよいのだが残念な点もある。
すでに倒した敵に対してコマンド入力した際に空振りになってしまうことだ。
つまり、オートターゲット機能が実装されていないのだ。
これは非常に残念。1993年発売のゲームだとしても、前時代的すぎると思う。

本作によく登場する“精神波動”はご都合主義として使い勝手がいい。
「皆まで言うな……」と言いたくなるシーンを簡潔に処理できるので、
ツクラー*1はありがたくパクっておこう!

ダンジョンにある宿屋での1コマ。こういうどうでもいいイベント、好きだわ。

さて、こっちは嫌いなイベント。お使いイベントが多い本作のなかでも、
このイベントがマジで最悪。橋を修理するイベントで、
橋の修理屋に「職人を連れてきてくれ」と言われ、
次は「橋の壊れ具合を見てきてくれ」と言われる。
やっと修理がはじまったと思ったら、「橋を見下ろせる高台に立って、
僕の惚れ惚れするような仕事っぷりを見てくれ」とほざく始末。
この高台、近くに見えるが実際にはかなり遠回りしなければならず、しち面倒。
『はじめてのおつかい』のスタッフもストライキを起こしかねない、
お使いイベントの極北なのである。

数々のお使いイベントにイラつきながらも無事にクリア。
感動のエンディングで心が浄化されたあとにリザルト画面が出る。
だだっ広いダンジョンをしらみつぶしに探索して宝箱を開けまくっていたんだけど、
まだまだ取り損じがあった模様。
“ひろったアイテム”は隠しアイテムのことでしょうね、きっと。
戦闘が不便で単調な点、エンカウント率が高い点、
量・質ともにパワハラみたいなお使いイベントがある点を除けば、
まあまあ遊べるRPGではある。冒頭に書いたとおり、
続編の『エストポリス伝記II』のほうが高評価なので近々プレイしたい。
でも、エンディングは本作のほうがいいという声も多いらしいね。
手堅いけれど、凡作寄りの佳作といった印象かな。
【7点】
*1:ゲーム制作ツール『ツクール』シリーズユーザーの俗称




