カサロシのログ

消化と記録(ゲーム成分多め)

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見た目はポップ、内容は硬派! 次世代機戦争の真っただ中に発売された狂熱パズル『パネルでポン』をレビュー

 

 


【ジャンル:パズル】
【発売元:任天堂
【1995年10月27日】
【定価:5,800円】

テトリスに匹敵する中毒性

 1990年代中期、セガサターンプレイステーションの発売によって、
メディアでは“次世代機戦争”という構図が取り上げられるようになった。
そのころ、任天堂スーパーファミコンでまだ市場を席巻しており、
早すぎたVRゲーム機であるバーチャルボーイも投入したが、
世間の関心の的になることなく、5ヵ月という短い生涯を終えた。
そんなバーチャルボーイが夭逝するかしないかの瀬戸際に発売されたのが、
パネルでポン』シリーズの原点である本作『パネルでポン』なのだ。

任天堂インテリジェントシステムズの共同開発の本作。
インテリジェントシステムズの公式サイトは古きよきファンサイトのような
デザインで懐かしい気分にさせてくれる。

 ルールはパズルゲームのご多分に漏れずシンプル。
プレイヤーが操作するのは縦1マス横2マスのカーソルで
下からせり上がってくるパネルを入れ替え、同色のパネルを揃えて消していく。
パネルは縦か横に3枚以上揃えると消滅し、
1回の入れ替えで4枚以上消すと“同時消し”になる。
ほかのパズルゲームと同様、連鎖を組むことが大切であり、
もっとも重要なのはパネルが消えているあいだに別のパネルを入れ替えて、
連鎖をねじ込んでいく“アクティブ連鎖”というテクニックだ。
せり上がってきたパネルが天井に達するとゲームオーバーなので、
眼球と指先を酷使してパネルをどんどん消そう!


もちろん、2P対戦も可能。充実したチュートリアルを履修してライバルに差をつけろ!

1Pモードも豊富なので、ライバルは自分自身というノーフレンドな君も安心してくれ!


 本作を語るうえで議論に上がりがちなのが、
女児と萌え豚をターゲットにしたような任天堂らしからぬキャラデザだ。
おジャ魔女どれみ』や『プリキュア』をこよなく愛する
大きいお友だちからすればハァハァもんのキャラクターは、
世間の目に過敏な年頃の男子からすると非常に手に取りづらい代物であった。

ストーリーや世界観はとてもファンシーで、すさみきったおっさんの心を癒やしてくれる。

このあと、悪いモンスターに反撃されて触手であんなことやこんなことに……
なんてことはありません。そういったものをご所望の方は、D●siteに行ってください。


ゲームオーバー画面は超あざとい! 男ならコンティニューするしかねえな!

1Pモードのひとつ、“パズル”は決められた手数ですべてのパネルを消せばクリア。
最初は簡単だが徐々に難問詰将棋のような難度になる。
連鎖の仕組みを理解するのにうってつけのモードだ。


俺の推しキャラは炎の妖精・フレア。中途半端なことが大嫌いな男勝りの情熱家でオレっ娘である。

ここでちょっと隠しコマンドを紹介。各モードでポーズ中にXボタンを押すと背景だけが表示される。
これで美麗なイラストをじっくりと鑑賞できるぞ。
ほかにも本作には裏技がたくさんあるので探してみよう!


 不満点はバックアップ機能がないことだ。
各モードの進行度はパスワードで管理されるので少し面倒。
そして、ハイスコアの記録ができないのはストイックな
遊びかたを追求するであろう、この手のゲームでは残念極まりない。
しかし、現在は“Nintendo Switch Online”でもプレイでき、
こちらでプレイすれば“どこでもセーブ”の恩恵によって
ハイスコアの記録もできる。
さらにフレンド限定ではあるがオンラインプレイも可能なので、
いまからプレイする人にはこちらを推奨したい。


本作のCMは能楽師が鼓を打ち鳴らすといった内容。
いまなら、すゑひろがりずのご両人が適任だろうな。


 本作を皮切りに『ヨッシーのパネポン』や
ポケモンでパネポン』としてキャラクターを変えてシリーズ展開し、
ゲームキューブで発売された『NINTENDO パズルコレクション*1』に
収録されているバージョンは本作とキャラクターや雰囲気が似ているので
本作直系の続編兼リメイクといえる。
それから、本作の主人公・リップは任天堂マイナーキャラが多く登場する
Wiiで発売されたギャグ満載アクションアドベンチャー
キャプテン★レインボー*2』にも登場し、存在感を放っている。

 キャラクターのかわいさに侮って手を出さないのはもったいない、
熾烈で奥深い熱狂パズルゲームだと喧伝したい名作だ。

【9点】

 

*1:パネルでポン』のほかに『ドクターマリオ』と『ヨッシーのクッキー』を収録

*2:『moon』や『UFO -A day in the life-』で有名なラブデリックが開発したソフト