御伽活劇 豆狸のバケル ~オラクル祭太郎の祭難!!~公式サイト|Nintendo Switch
御伽活劇 豆狸のバケル ~オラクル祭太郎の祭難!!~ ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
【ジャンル:アクション】
【発売元:グッド・フィール】
【発売日:2023年11月30日】
【定価:5,280円】
がんばれバケル
『がんばれゴエモン』シリーズを開発したスタッフを中心に
設立されたメーカー、グッド・フィール*1が満を持して放つ
完全新作3D和風アクションの本作は、すべてがちょうどいい
抜群の安定感が際立つ出来だった。
今回は年明け最初のレビューにふさわしい、
全国1億2000万人のゴエモンファンの期待を背負った
『御伽活劇 豆狸のバケル ~オラクル祭太郎の祭難!!~』の魅力を
たっぷりと伝えていくぞ!
本作の発売前に気分を高めて書いた記事はこちら。
オープニングで“オレの最初の冒険のお話”と言っているということは、
続編を視野に入れているのか!? でも、売上本数がちょっと心配になる
数字だったから、続編を実現するために少しでも興味がある人は
マジで買ってほしい!
主人公は人に化けられるタヌキ族の少年・バケル。
嵐が吹き荒れる夜にイッスン族のすんと出会い、日本全土を震撼させる大事件に
巻き込まれていく。すんいわく、オラクル祭太郎という悪党が
お祭り軍団を率いて日本征服を企てようとしているらしい。
すんとタヌキ族の長老による計らい、そしてバケルの内なる正義感によって
大冒険の扉が開かれた! バケルはこのとき「ゴエモンさん、見ててください……
オレががんばるところを!」と言ったとか言わなかったとか*2。
こいつがお祭り軍団の頭領・オラクル祭太郎。
頭にイカ焼きとりんご飴を挿し、等間隔で金歯を入れているヤベえおじさんだ。
このおじさんの“悪祭”によって日本は危機に瀕しているのだ!
津々浦々にある“悪祭”の提灯。1ステージごとにこの提灯を3つ壊せば、
その都道府県はオラクル祭太郎の悪趣味から逃れられる。
お祭り軍団を蹴散らしながら、タヌキ族に伝わる秘宝“払羅太鼓(はらだいこ)”の
力でどんどん破壊していこう!
提灯を壊せばゴール地点に設置された“お祭りタワー”のバリアがなくなる。
太鼓を打ち鳴らして“悪祭退散”をキメ、日本を救うのだ!
余談だが俺はこの“お祭りタワー”を見て某仮装大賞のパネルを思い出した。
各ステージにはおみやげが3つ隠されている。
どれも地域の特色があり、集めるのが楽しい。
旅行気分を味わいながら、日本に少しだけ詳しくなれるぞ。
俺のお気に入りのおみやげは以上の2点。
ひょっとこ顔がイカす“かまぼこボーイ”と粘り強い“ネバッ娘”だ。
まあ、納豆は食えないんだけどね……。
踏んだらあかんアレに似ている放浪の賢者・ウンチク。
それぞれのステージに隠れている彼(?)を見つけられれば、
いろいろなうんちくを教えてくれるぞ!
ご当地の役立つうんちくから右から左へ受け流してしまうような
どうでもいいものまで、ウンチクの守備範囲は広い。
ウンチクは1ステージにつき5ヵ所に隠れているので、がんばって見つけよう。
おみやげとうんちくのほかにも、特定のステージにいる隠れタヌキという
収集要素があるぞ。さまざまなオブジェクトに化けているが、
よく見ればわかるはず。怪しいものはバチでしばきまくろう!
それにしても、むつみきゃわわですわ。
本作のヒロイン(?)、ウリ子は商魂たくましいタヌキ女子。
冒険に役立つアイテムを売りつけてくれるのだ!
移動速度が遅いと感じたならば、“速飴”がおすすめ。
30秒間無敵になる“シールドグミ”はボス戦で重宝するし、
“身代わり君”はやられたときに自動復活できるので便利。
これらのアイテムを駆使すれば、ビギナーでもクリアは余裕だろう。
ゲーム序盤は“御伽の英雄”たちのもとへ訪れ、
“バケライセンス”を手に入れるのが目的だ。オラクルの洗脳、怖い!
“バケライセンス”をゲットすると、“御伽の英雄”にちなんだ能力が
バケルに備わる。みんなの力を合わせてオラクル祭太郎をぶっ●そう!
道中で仲間になるカラクリ狛犬のまゆげは変形可能なハイテクなやつ。
まゆげは車や飛行機に変形して、レースステージやシューティングステージで
大活躍するのだ! こういうごった煮感、俺は好きだぜ。
なんと巨大ロボットバトルもあるぞ!
分福の登場デモでゴエモンインパクト*3が脳裏をかすめて、
不覚にも涙を流しそうになった。
どこかで見たような錯覚に陥る看板。
凝ったオブジェクトが多いので、ステージの散策も楽しくなる。
いろんなところで見かける“老舗おかめ餅”。
きっと、この世界では誰もが知る大企業なのだろう。
非常に楽しく遊べた本作だが、
あまりに一本道で自由度が皆無なのは気になった。
写真は提灯が目の前にあるのに柵が飛び越えられず、やきもきしている図。
こんな感じでちょっとした近道ができない点はストレスにつながる。
もし続編が出るならば、敵の幹部を登場させたりするなど、
演出面の強化を期待したい。
影山ヒロノブ氏あたりが巨大ロボのテーマソングを歌ってくれたら、最高!
大きな不満がなく目新しいところもないが、
N64・PS・PS2あたりの国産3Dアクションゲームをプレイしたときの安心感や
ノスタルジーがある作品だ。
先鋭的かつ前衛的なインディーゲームが
おしゃれでも故障の多い輸入車だとすると、
本作は野暮ったくても故障の少ない国産車然としたゲームなのである。
『がんばれゴエモン』シリーズに慣れ親しんだ昔かたぎのゲーマーからは
支持されているようだが、売上から察するに若いゲーマーには本作のよさが
十分に伝わっていない気がする。
本作が売れればパワーアップした続編が期待できるし、
『がんばれゴエモン』シリーズ復活への露払いになるかもしれない。
だから、このブログを読んでいるみんなも本作を購入して、
バケルとゴエモンとグッド・フィールを応援してくれると嬉しいぜ!
【8点】