【ジャンル:レース】
【発売元:任天堂】
【発売日:1990年11月21日】
【定価:6,800円】
実際に乗ったらチビる自信がある
“Nintendo Direct 2023.9.14”にて約19年ぶりの新作として
『F-ZERO 99』が発表され、多くの“F-ZERO難民*1”たちが救われた。
本作は盛り返しを見せた『F-ZERO』シリーズの第1作であり、
スーパーファミコンのローンチタイトル*2でもある。
“Nintendo Direct 2023.9.14”のまとめ記事。
ウィキペディアの“F-ZEROシリーズ”のページに載っている年表、行方不明で野垂れ死んだと噂されていた作家が奇跡の復活を遂げたようなエモさがある。 #FZERO #FZERO99 pic.twitter.com/nfB29P6yiF
— カサロシ (@Kasarosi) 2023年9月17日
ゲームボーイアドバンスは『F-ZERO』シリーズが豊作のハードといえる。
その後、飢饉が長く続いたが……。
ゲーム内容はF1や新幹線の最高速度を超える時速400キロオーバーの世界を
体感できるレースゲームで、タイトルの由来は現代のF1を凌駕する未来のF1を
イメージして『F-ZERO』になったらしい。
おもなモードは“グランプリ”と“プラクティス”の2つ。
“グランプリ”は3つのリーグと難易度を選び、
ライバルたちをゴボウ抜きにし、3位以内の入賞を目指すモード。
各リーグは5コースあり、それぞれ5周回るルールだ。
“プラクティス”は敵がいない状態のコースで行うタイムアタックモード。
ライバルは己だけというストイックさはついつい真剣になってしまうが、
“グランプリ”で登場した一部のモードしか走れないのは少々残念だった。
スーパーファミコン最大のヒット作『スーパーマリオカート』は当初、
本作のマルチプレイ版としてつくられていたことが明らかになったインタビュー。
本作について調べていると、ファミ通のクロスレビュー*3で辛口だった
“TACO.X”こと二木康夫氏が満点の10点を本作につけたのがわかった。
二木氏が10点と評したソフトは後にも先にも本作だけのようで、
俺はそのセンスと男気に惚れた。
ダライアスのタコは何故ゾーンXに出現するのか?という発想は“TACO.X”こと二木康夫氏が田尻智氏のゲームフリークの古参スタッフであり旧知の仲であったからだ。ちなみにダラⅡのボス名は社内公募を募りグランドオクトパスの命名者は“たらばー”こと堀崇真氏。ヤリジュン先生のイラストも素晴らしい!🤣 pic.twitter.com/k8VRToPu8k
— ぜくう@誰がパックマンを描いたのか 山下正 伝(委託) (@Area51_zek) 2020年7月6日
なんと二木氏は田尻智氏が主宰した伝説のゲーム系同人サークル、
“ゲームフリーク”に参画していたのだ!
二木氏は2点や3点を平気でつける激辛っぷりで
本作と同時発売の『スーパーマリオワールド』には8点をつけていた。
彼はマリオという鉄板タイトルよりも、アメコミテイストのパッケージから
威圧感が漂う得体の知れないレースゲームだった本作に高い評価をつけたのだ。
以下に二木氏による本作『F-ZERO』と『スーパーマリオワールド』の
クロスレビューを引用させていただく。
F-ZERO 10点
ゲームをやりまくっている半ばゲームジジイと化した輩は、
意地でもこれをやるべきである。
いかにタイムを縮めるかという自分との戦いに、
年末年始没頭できること請け合い。レースゲーム野郎なら死んでもやれ。
新しい画面処理などによりレースゲームの新境地を開いた秀作。
スーパーマリオワールド 8点
むかしの「マリオ」と比べると非常にややこしくなってしまったようだ。
さまざまなフィーチャーで装飾されてるんだけど、
その度合が「マリオ3」などに比べると露骨に感じる。
ほかの駄目ゲームよりははるかにおもしろいのは保証するけれど……。
なんかひっかかるんだよなあ。
組織の中で目立った物言いをするのは、とても勇気がいることだ。
SNSの台頭で取るに足りない話題でも何かと取り沙汰され、
誰もが石を投げたり投げられたりする昨今ではなおさらそうだろう。
二木氏の歯に衣着せぬ批評は自分の意見をオブラートに包まない覚悟がある。
時流的には悪手かもしれないが、
ずけずけと本音を吐く二木氏のスタイルに感銘を受けた。
こうなりたいと思う一方で、「やっぱりレースゲームに対人戦がないのは
物足りない」と感じてしまう凡庸な俺は、
当時のファミ通にいても『スーパーマリオワールド』に軍配を上げただろう。
【8点】